コラム

無垢床板

2014年06月05日

  最近は、温かみのある床材として、無垢材をさせていただくことが多くなりました。裸足や、床に直に座ると、
素材の良さが伝わります。今回は「無垢材のメリット・デメリット」を紹介します。

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 無垢材とは、その名のとおり、切り出したままの木材のことをいいます。
一般的に目にする「合板フローリング」は、ほとんどが薄い木の皮を接着剤で何枚か貼り合わせた「ベニヤ板」の表面に、薄い(0.3mm)木の皮を貼って、製品化されたものです。
 暑い夏の日、無垢材の床を裸足で歩くと、足触りがサラッとして気持ちよいものです。それは、自然に汗を吸って湿度を調節してくれる木の性質が関係しています。無垢材の最大のメリットが、調湿効果を持つことです。
乾燥すれば水分を吐き出し、湿度が多いときは水分を吸いこむことで、快適な環境を調整してくれます。
また、優れた断熱効果を持つこと。木の中にはパイプ状の細胞の集まりがあって、中は空気に満たされています。この空気が、実は身近な物質の中で、熱を伝えにくい物質でもあるのです。なので、空気がいっぱい入っている木材は熱が伝わりにくく、冬はあたたかく感じるのですね。
 
  次にデメリットですが、
①温度湿度の変化で膨張したときは床が反り、乾燥して収縮したときは継ぎ
 目に隙間が空きやすい。
②柔らかいので、傷がつきやすい。シミもつきやすい。
③100%自然素材のため、木目の色柄が均一でない。
④無垢は合板に比べて価格が高い。


無垢のデメリットも自然素材ならではの良さと思えたら、経年変化として楽しめそうですね。
 無垢材を選ぶときのポイントとして、一般的には杉や松、桧などの「針葉樹」は柔らかく肌触りも優しいのが特徴です。ナラや栗、サクラの「広葉樹」は針葉樹と比べて硬く耐久性に優れています。   

                                                                                                                                      設計 上田由紀子