コラム

家族と共に育つ家。

2014年07月07日

  あるお客様宅へ、新築10年目の定期検査にお邪魔したときのことです。
久しぶりの訪問で真っ先に感じたのが、「なんだか家が広くなったみたい・・・」でした。
玄関の靴の数も少々少な目、室内においてあるものも以前とは違うものがあるように思えます。お話をしているうちに、「実は二人きりの新婚生活になりましてね!」とのお言葉。最初、意味されることが分らなかった橋本でした。
 
 そういえば、新築当時、小中学生だったお子さんの生活感がありません。大きくなってこの家を巣立っていかれたのだと気づきました。ちよっと寂しそうなご両親のご様子に、家が大きく見えたのかもしれません。
 
 家の寿命は50年とも言われています。人と共に経過する時間を考える時、ご主人が35歳で新築、85歳まで生活されるとすると、50年間その家で過ごされることとなります。子供たちとその家で一緒に生活できるのが、ほんの10年あまり、後の40年足らずは、夫婦での生活、いつかは、どちらか一人の生活。また、子供世帯との同居生活と、ころころと変わるのが、人と家の一生なのでしょう。ライフスタイルの変化を見越した間仕切りの移動や、LDKに可変を含んだ間取りは、後での自由度が高く、その時どきに合わせえた生活ができます。プランニングをするとき、生活様式、家族構成、自分たちの趣味等、多角的に検討することが、失敗の無い家づくりになることでしょう。

「家の中で、お子さんの声は聞こえなくなりましたが、ご夫婦の声が弾むようになりましたね!」と申し上げると、二人見合わせ、互いに笑みを浮かべられたお客様でした。
                    
きっと家と共に楽しい生活が続くことでしょう。 

                                        橋本 良一