コラム

「在来工法」

2017年06月29日

   「在来」と言う言葉は、安定を好む私にとって好きな言葉。辞書では、今まであったことや行なわれたこと。今まで通り。との意味。そういえば、在来線、在来種、在来船と色々思いつきますね。実は、建築にも「在来工法」と、在来の付く言葉があるのです。ちょっと待って下さい、じっくり考えると「在来」ってずっと続いていくなら未来も含まれるのでは?と、頭がこんがらがってきた橋本です。

  当社で建築している住宅も、ご他聞に漏れず「在来工法」です。他の言い方をすると、「木造軸組工法」ともいい、土台、柱、梁の水平、垂直の部材(軸)で構成された日本の伝統的な建築工法の一つです。

  日本は木材が豊富に存在し、多用されてきました。文明・文化の進歩とともに寺社仏閣の建立がさかんになり、建築技術も高度に進化し、木造建築は日本の家のスタンダードになったようです。もちろん、高温多湿な気候に対して、木造建築は通気性に優れているので、ジメジメした環境を和らげてくれる暮らしを求めたのかもしれませんね。また、木造は設計の自由度が高く、後の増築・減築など、施工し易いことも利点です。さらに、日本家屋の殆どが、在来工法なので供給業者も多く、流通面やコスト面でも他の工法より有利なのは言うまでもありません。
 
「在来」といえども、最古の時代より、改善が重ねられています。当社では、耐震性能の向上は勿論のこと、地熱循環システムや、自然素材・新材料の利用、個々のお客様の生活スタイルに合わせたプランの工夫などなど、日々進化させています。

  昔から培われた知恵の上に今があり、先を見越した改善の繰り返しによって、安心と信頼の「在来工法」が、日本で支持される所以かも知れません。これは工法のことだけではなく、会社も人も同じ事。過去から未来、人から求められ支持される事が何より大切ですね。精進、精進!!です。

                                               橋本 良一