コラム

課題を乗り越えるチカラを!

2022年03月08日

 春めいてきたようです。「今年は大雪になるで!!」と私の周りのにわか気象予報士の方たちの予想通り、今年はよく積もりましたね。陽も長くなり、気温も上昇してきたことは大変嬉しいものです。しかしながら、嬉しくない上昇もあります。それは物価です。

 昨年、私たち住宅業界ではウッドショックによる木材の高騰から、鉄、コンクリートなどの住宅資材、もちろん日常生活においても食糧品や生活必需品、ガソリンをはじめエネルギー等、ありとあらゆるものが値上げラッシュです。コロナの影響下で、減産や輸送の減便、そして世情不安による購入意欲減等、多岐にわたる要因が値上げとなっています。これで所得が増えればよいのですが、さてどうなるでしょう。

 そんな折『コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった』という本を読みました。マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツ氏が絶賛し、2ちゃんねる創設者ひろゆき氏も「人生を変えた本ベスト3」だと紹介した本です。「コンテナ」って、あのコンテナ?そうです。輸送用の金属BOXであるコンテナはその規格化によって、海運業は劇的な変化と物流に大きな革命を起こしグローバル化を促進したというお話です。

 私たちの手元にあるほとんどのモノがコンテナに積載され、遥か遠くの国からやってきている事実は、悲しいことに価格に大きく左右されています。発展途上国で作られた製品や商品は、製造人件費が安いということ以上に、大量輸送による運搬費が安いという事実が地産地消を妨げているようにも思います。(最近では人件費も日本とさほど変わらなくなってきているようです…)そのために、今まで国内で作っていたものも海外に依存し、自国では生産すら出来ない情けない状態になっているようです。

 世界が身近になる!グローバルだ!コストダウンだ!と聞こえが良いような言葉ですが、コロナ禍によってその弊害も顕在化し、足元がぐらついているよりは、身近にあるもので工夫をし、今の課題を乗り越えるチカラをつけていきたいものです。 
                         
                                                                                                                                                                                                               上田 公平