コラム

今、地球で何が起こっているのか

2020年03月05日

 先日、「今、地球で何が起こっているのか(地学、地震)」というテーマの講演会に行ってきました。講師の先生は、京都大学大学院人間・環境学研究科の教授「鎌田浩毅氏」です。
大学教授という私の勝手なイメージを払拭され、赤いスカーフを黒っぽいジャケットに合わせ、なんとも素敵ないで立ちで登場されました。なぜファッションにこだわるのか?それは、漫才・落語でいう「つかみ」の部分で、学生たちが興味深く授業に入れるようにする為だそうです。実際、学生たちの人気者だと自称。著書も数多く出されていますので、機会があれば是非ともお読みください。

 では、講演内容に・・・地球科学では「過去は未来を解く鍵」とのことで、過去の現象をくわしく解析すれば、確率の高い未来予測ができるという。西暦869年に東北「貞観三陸大地震」、9年後の878年「元慶の関東大震災」そのまが2020年関東で震災(東京オリンピック開催ですが)、そしてその9年後の2029年南海トラフとなります。

現在発生している火山活動や近くの地殻変動等の酷似が多く見受けられるらしいのです。万一、南海トラフが発生した場合は6000万人が被災等の影響を受け、220兆円(国家予算2年分)の経済損失と見込まれているとのこと。この未曾有の被害予想に対し、他の学識者から確実性に欠ける情報の提供は、国民に混乱を招くものであって、公開するものではないとの批判もあるらしいのですが。

 教授は、事前の準備で被害を最小限に抑えることができると考え、想定外を想定内にと、声を大にして発信しているとおっしゃっていました。一人でも多くの人にこの事を伝え、準備してほしいと我々に訴えられていました。
弊社は住まい創りの会社として、耐震性や耐火性能に優れた建物の追求をしていかなくてはなりません。一方、日常生活では安否確認ができるように、家族を含めた色々な組織でのネットワークを作っておくこと。災害時に避難する経路、場所をシュミレーションをしておくこと。細かいところでは、家具が倒れないような工夫や倒れても被害が少なくなる家具の配置、避難経路が塞がれないよう食器やガラスなどが床に飛散しない手立てなど、色々考えられます。
一番大切なのは、災害時にどう行動するか。そのために何を準備するかですね。

 伝えずにはいられなく、先ずは、ひとり言にて。
                         橋本 良一