コラム

空き家サポート

2017年11月16日

  今回は、ちょっとお堅いお話。国の住宅政策の方向性についてです。
 

少子高齢化、人口や世帯数の減少、環境問題、空き家対策などなど、住宅、住まいに関する環境が変わろうとしています。これらの問題解決のために「住生活基本計画」が全国計画と都道府県計画との両面から策定されました。住生活の安定と確保を促進するため、数値目標を掲げ進められています。
 

 若年世代の住宅取得、空き家への対応など様々な施策がありますが、中でも、ストック住宅(既存の家)の活用方法が注目されています。すごろくのように、住宅に代々住み続けたり、その時々の家族構成に伴って住み変わったりするためには、維持管理やリフォームを行い、建物を質の高いものに変え、資産としての価値を上げていくことが大切です。
 

 ストック住宅について考える時、空き家問題の話を避けては通れません。人が住まなくなった家は、価値を上げるどころか下がっていきます。住むに住めなくなった空き家は、数年後4軒に1軒になると言われ、15年~20年後には3軒に1軒になるとも言われています。過疎地帯では、この数字が更に膨らむこととなるでしょう。
 

 空き家には、色々な問題が潜んでいます。浮浪者や動物が住み着いたり、火災の発生やゴミ屋敷と化する危険性もあるでしょう。1軒の空き家でも周辺の住民には、大きな影響を与えることもあり、ややもすると、周辺の環境や価値は下がってしまいます。
 

 私達の仕事は住まいを新築したり、リフォームしたりする事ですが、今後は空き家サポートにも取り組んでまいります。人が不在でも、定期的な管理をすることで住まいと環境を守っていくことも、我々住宅建築に関わるものの使命だと思います。
 

              橋本 良一