コラム

換気を意識する毎日

2020年09月10日

 睡眠が改善 喘息・鼻炎を防ぐ 学習効率向上
 
 コロナという新たなウイルスにより、換気への意識が高まりました。
基本的には、外よりも室内の方が空気が汚れています。そこで定期的な『換気』で空気をきれいにすることが大切です。生活で何気なく換気をすることにより学習効率向上、喘息・鼻炎の予防、睡眠の改善への効果が期待できます。私たちの体は、1日に約2万回の呼吸を繰り返し、およそ15㎏の空気を取り込んでいます。食べ物は1日約2㎏の摂取と考えると、呼吸の大切さが理解できます。
 2018年9月の欧州呼吸器学会で、空気清浄機使用により成人の喘息患者の状態が明らかに改善したことが発表されました。
研究を行った医師は『空気清浄機は良さそうだが、実際に効果があるのかわからない…これが多くの意見であり私自身もそうでした。しかし今回の研究によって空気清浄機の使用で室内の空気改善・それがアレルギー患者さんの症状改善に役立つことが分かった』と述べています。
 研究は、病院に通う50名の患者さんへ空気清浄機を使う群、使わない群でランダムに振り分け、1年間にわたって患者さんが暮らす室内環境、自覚症状、肺機能など確認すると、空気清浄機を使った群は室内環境の粉塵が抑えられ、喘息の発作が改善しました。また、『すし詰め状態で会議をすると、眠くなりやすい』あれは、二酸化炭素濃度が関係しており、室内の人数が多いと二酸化炭素の排出量が増加し、空気の質を低下させます。二酸化炭素濃度は換気量と連動しているんです。つまり換気をすると知的作業の効率が良くなります。
 空気汚染による健康被害と、冷暖房費用を合わせて考えると、換気回数が0.5回/h、つまり部屋の空気を1時間に半分入れ替えるのが最も効率的でしょう。この条件に当てはめると、24時間換気システムが備わっている住宅なら電源を切らない、フィルターを定期的に清掃すること。アパートや換気システムがない住宅は、浴室の換気扇を24時間回しておくことで0.5回/h換気に近づきます。※住宅の環境により異なります。
 日常生活では、ホコリ、ウイルス、花粉などが空気中に滞留し、空気汚染の数値が屋外よりも高くなりがちです。手洗いなどの他、予防対策の一つとして、空間をきれいに保つことが、空気の質の向上へと繋がり健康を守ります。
 
 健康を守る換気の大切さを知っていただけましたか?ぜひ、皆さんのお住まいに合った換気をしてみましょう。
                                    設計 塩尻 和幸