コラム

不易流行(ふえきりゅうこう)とは

2022年07月15日

不易流行(ふえきりゅうこう)「不易」はいつまでも変わらないこと。「流行」は時代時代に応じて変化すること。
いつまでも変化しない、本質的なものを忘れないということの中にも、新しい変化を取り入れていくということ。また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。(三省堂 新明解四字熟語辞典より)

 俳人松尾芭蕉は「不易」も「流行」も根本は同一であると説いています。この解釈には諸説あるそうですが、私たち家づくりに携わる工務店や設計士もいつも考え、悩んでいることです。

「土間モルタル仕上げ」「ヘリンボーン柄」 「しっくい壁」「無垢の床材」 「庇のない陸屋根」「ガルバリウム鋼板外壁」
「屋上バルコニー」「オーバーハング」

これらは、最近流行りの住宅仕様です。でも、よく考えると、ひと昔前からあったものでもあります。時代により変化し性能が上がっているものもあれば、ノスタルジックな見た目が、逆に新鮮に映り、若い世代にウケているものもあります。
 ただ、一番大切なことは「私はこれが好きだ!」というこころだと思います。
自分の好きなものをあらゆる角度からみた時、それが完壁とは限りません。 SNSの普及により「写真映えするかどうか」を意識してしまう人もいるかと思いますが「流行物は廃(すた)り物」という言葉もあります。今は流行っていても、年月が経つとそうでもなくなるなんてことが…。そのもの自体が変わったのではなく、自分のこころが変化していくということなのかなと思います。好きな理由が「今流行っているから」というのは、廃れた時には「好きではないもの」になりやすいです。本当に好きなのではなく、流行っているから好きだっただけだからです。そうならないように、本当に好きなものは何か、後悔しない選択が大切だと思います。

 私たちHASI HAUSは、創業より50数年、様々な仕様で家づくりをしています。お客様の好みに合わせつつ、時代の流行も取り入れてきました。そこで見えてきたものは、今まで建築してきた絶対的に自信のある譲れないことと、不安はあるけれど新たにチャレンジしたいこと、その2つを想い続けることこそが、時代の変化に適応しながらお客様のニーズに応えていくことだということです。

今後、さらに変化していくHASI HAUSを宜しくお願いします。

                                上田 公平