『春眠暁を覚えず』
　春うららかな季節から若葉茂る季節へと移行してまいりました。『春眠暁を覚えず』とは中国唐の詩人　孟浩然が詠んだ有名な漢詩『春暁』の冒頭部分です。気持ちよく眠れる日々を過ごしていますが、皆さんはいかがでしょうか？
　
　睡眠というものは本当に大切なものだと感じています。レム睡眠・ノンレム睡眠という言葉をご存じでしょうか？
REM（レム）とはRapid Eye Movement（急速眼球運動）のことをいい浅い眠りで、NON-REM（ノンレム）とはその逆である深い眠りをいいます。浅い眠りのときは、寝ていても目玉がギョロギョロ動いているので、ちょうど夢を見ているのもこのタイミングです。この時、記憶の整理や定着、消去等が行われます。国立大に入学した友人がこんなことを言っていました。「僕は夢の中で勉強するので、睡眠時間をしっかりととります。しかも見たい夢が見れます。」なんと便利なことかと思っていたのですが、しっかりと学力を伸ばすには寝る前に、今日覚えたことの復習をして寝ることで、記憶の定着をしているということだそうです。寝る前にテレビを見て、漫画を読んでいた自分とは大違いです。もっと早く教えてほしかった・・・・。また、深い眠りであるノンレム睡眠時には、脳自体も休息期に入り、コレチゾールという成長ホルモンの分泌が促進されます。疲労回復や新陳代謝が行われますので、嬉しいことにお肌に好影響を与えたり、子供にとっても身体が大きくなる手助けとなるのです。このレム・ ノンレム睡眠は90分周期で交互に繰り返されます。ちょうどよい睡眠時間はその倍数がよいそうです。一日の１／３は寝ています。ということは人生の１／３も寝ているということです。睡眠もよい環境でとれるようにしたいものです。
　
　さて『春眠暁を覚えず』には続きがあります。
『処処啼鳥（しょしょていちょう）を聞く、夜来風雨（やらいふうう）の声、花落つるこを知る多少』
（春はつい朝遅くまで寝てしまう。鳥のさえずりが自然と聞こえ、昨夜の雨で、花ビラは落ちてしまっただろう・・・）
 しかしながら、この作者は役人検定試験「科挙」に落ちてしまい、友人は春から仕事をしているのに、私は何をしているんだろうと悶々と過ごしていたようです。そう思うと、季節に変わらず仕事もキバってせねばなりません・・・。