コラム

本物時代の到来

2024年05月13日

 一つの時代が終わり、新たな時代へとゲームチェンジしました。それは3月19日に発表されました「マイナス金利」政策の解除です。マイナス金利とは、簡単にいうと、通常は銀行にお金を預けると利子が貰えるのですが、逆に預けると利子を支払うという政策です。これを中央銀行である日本銀行が実行することにより、銀行は預金を保有するより融資をするほうが有利になり、市場の活性化を促してきました。日本では1990年代以降、デフレーション(物価が下落する状態)が長期間続いており、経済の停滞や消費不振が懸念されていました。このような状況下なので、マイナス金利政策を導入し、銀行が企業や個人に対してより低金利で融資を行い、投資や消費を促進し、経済活動を活性化させることを期待したのです。また、マイナス金利政策は円の価値を下げ、輸出産業を支援する効果も期待されました。円安によって日本の輸出企業が競争力を維持しやすくなり、輸出が増加することで経済全体の活性化が図られると考えられました。
 コロナ禍以後、世界情勢は一変しました。他の国でもマイナス金利政策は実行されていたのですが、いち早く解除されました。それにより日本の世界的な競争力は低下し、日本自体の価値が下がってきました。「日本安い!!」と海外の人がどっと押し寄せてきているのはそのためです。国内だけの経済を回すことができれば問題はないのですが、今の日本は無理です。モノの原材料のほとんどを海外から調達しなければなりません。そうなると、モノの値段は上昇します。デフレ脱却で現在はインフレ状態になりつつあります。長い間、安く、モノを買ってきた私たちは、次に賃金(お給料)が上がらないと買えない状態になります。それも、これからは賃金上昇が期待されつつあり、物価上昇との好循環が見通せるという判断の元のマイナス金利の解除なのです。

 では、住宅市場はどうなるでしょう?まずは住宅ローンです。低金利化においては、若年層にも家が建てやすかったり、ローコスト住宅の登場や大規模な宅地開発が容易となり、活性化しました。しかし、今後は住宅ローンの金利上昇が懸念されます。すぐにではないでしょうが、固定金利の上昇が目安になりますので注意が必要です。企業の決算時期とも深く関わってきますので、今年の6月末頃が実質的な金利上昇となるかどうか注目です。また、住宅価格については数年前に比べると10~15%高くなっていますが、その上昇は止まりそうだといわれています。これ以上高騰が続くと、住宅自体を買うことが控えられるからです。しかしながら、物流やモノの値段が、まだまだ人件費(賃金)へと十分に転嫁されているとはいいにくい状態ですので、徐々にではありますが、まだ価格上昇はしていくかもしれません。ともあれ、今後、モノが安くなるということは考えにくい状態ですので、いずれは新築が欲しい!リフォームをしたい!とお考えの方は、早めに動きだされることをお勧めします。

 今後、モノを買うことも二極化していきそうです。安いものと、高いものです。言い換えれば、使い捨てでいいものと長持ちするものです。その判断を価格で考えなければいけない時代がやってきます。本物時代の到来だと思います。住宅は使い捨てでいいものではありません。雨・風・雪や地震にしっかりと耐えることができ、暑さ寒さに対してもしっかりと断熱性や気密性を備え、心身ともに健康的に暮らせること。そしてそれが、光熱費・メンテナンス費というランニングコストにも反映して経済的であること。構成される素材(床や壁や建具など)が、長持ちして見た目も飽きがこないもの。私たちHASI HAUSもお客様に自信をもって住宅を提案させていただきます。

 6月より、HASI HAUSの新しいロゴマークとともに、新しいメッセージを発信する予定です。只今スタッフ全員で着々と準備作業に邁進しております。それに合わせまして、「すまいのかわら版」もリニューアルいたします。詳細は下記をご覧ください。

 先日、お客様から「いつもかわら版見てますよ!!」「社長のひとり言、よかったわ」「料理作ってみました」「スタッフの日頃の写真もおもしろい」というお声をいただき、とても嬉しく思っております。こち
らのモチベーションも爆上がりです。これからも、お客様と一緒に、この地域に住まい、ご意見を聞きながら頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
上田 公平